アディポネクチンの分泌と脂肪細胞

脂肪細胞は、細胞質に脂肪滴と呼ばれる脂肪のかたまりをもっている細胞です。
単胞性脂肪細胞（白色脂肪細胞）と多胞性脂肪細胞（褐色脂肪細胞）があります。
それぞれ細胞の働きはちがいます。

白色脂肪細胞に中には大きな脂肪滴が一つあります。
それは、脂肪をたくわえる役割をしています。
これが脂肪太りの本になるのです。

褐色脂肪細胞には中小の脂肪滴が多数あり、脂肪を燃焼して熱を産生します。
脂肪細胞のほとんどは白色脂肪細胞で、褐色脂肪細胞は首や肩甲骨のまわりなど、体のごく一部にしかありません。

この褐色細胞が増えれば余分な脂肪が燃焼されるのだが。
また、褐色脂肪細胞は乳幼児に比較的多いものの、成長するにつれて少なくなるとされています。

　脂肪細胞はアディポサイトカインと呼ばれる多彩な生理活性物質を分泌しています。
しかし、白色脂肪細胞が増加すると、生活習慣病の発症につながります。
これは、善玉のアディポネクチンの分泌が低下し、TNF-αなど悪玉のアディポサイトカインの分泌が亢進するからです。

このように、脂肪細胞そのものが肥大化するタイプは、男性に多い内臓脂肪型肥満に多くみられます。

アディポネクチンは脂肪細胞から血液中に分泌されます。
脂肪細胞は従来は単なる「過剰エネルギーの貯蔵庫」としてしかみなされていませんでした。
アディポネクチンやレプチンなどのホルモンが分泌されることがわかってきたので、「内分泌細胞」としての役割も認められるようになりました。

この脂肪細胞は、無条件でアディポネクチンを分泌してくれるわけではありません。
アディポネクチンを正常値に保つためには、脂肪細胞が、小さいときアディポネクチンを分泌するが、肥大化してくると分泌量が減ってしまうので肥満には気をつけなければいけません。


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